Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

テーマ-知識人

中世とは何か

先日フォースターの『アレクサンドリア』を読み、歴史の楽しさを再確認したことから手に取った一冊。もっと直接的には『オンディーヌ』の「訳者あとがき」、水の精伝説の起源を語った文章のなかに、この作家の著作が紹介されていたのだった。親しみのある名…

ガリレオの生涯

沈黙していた期間、わたしは読書時間のほとんどを科学読み物に費やしていた。「科学読み物」とわたしが呼ぶのは、科学そのものについての最先端の論文などではなく(そんなものは読めない)、それらを平易な内容に噛みくだき、典型的文系であるわたしのよう…

読書について

更新をやめてからおよそ一年が経ったので、これを機にブログを再開したいと思う。この一年間、本を読んでいなかったわけではもちろんないのだが、読書量はかなり減っており、選書傾向も以前とは幾分異なっていた。おかげで、以前なら気にも留めていなかった…

痴愚神礼讃

フランスの大学で歴史の授業を受けていたときに、教授がぽつりと言った。「デカルト、ルソー、ヴォルテールといった、フランス革命を思想的に準備した思想家たち全員に、多大な影響を与えた人物がいた」。それが、エラスムスだった。 痴愚神礼讃 (中公クラシ…

大学の歴史

『不純なる教養』を読んで知った、大学という概念を捉えなおすための一冊。最近人文系の本ばかり読んでいるのは、世界観に入り込む必要のない人文書の気安さが心地良いから。でも、こう人文書続きの生活を送っていると無性に文学が読みたくなってもくる。素…

感情教育

サイードが『知識人とは何か』の中で紹介していた「知識人を扱った小説」の最後の一冊。ツルゲーネフの『父と子』とジョイスの『若い藝術家の肖像』を越えて、ようやくこのフロベールの『感情教育』に辿り着いた。 感情教育 上 (河出文庫) 作者: ギュスター…

若い藝術家の肖像

サイードが『知識人とは何か』のなかで紹介していた「知識人が登場する小説」は三作、ツルゲーネフの『父と子』とフロベールの『感情教育』、そしてこのジェイムズ・ジョイスの『若い藝術家の肖像』だった。既読だったのは喜ばしいことにツルゲーネフのみで…

知識人とは何か

ジュンク堂書店新宿店で実施している「ディアスポラ文学フェア」から抜き出してきた一冊。有名なタイトルながらも未読だったので、良い機会を与えてもらったと思い読んでみた。 知識人とは何か (平凡社ライブラリー) 作者: エドワード・W.サイード,Edward W.…

父と子

19世紀のロシア文学を牽引した一人、ツルゲーネフの代表作。 父と子 (新潮文庫) 作者: И.С.ツルゲーネフ,工藤精一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/05/04 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る イワン・セルゲ…