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Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

配架-3冊で広げる世界

3冊で広げる世界:細部こそすべて

大好評(?)のうちに幕を開けた「3冊で広げる世界」シリーズ、ずっと更新していなかったのはネタが尽きたからではなく、旧ブログからの記事の移転や、新しく記事にしたい本が多すぎて、書く時間をぜんぜん持てていないからである。これはまとめてみたいな、…

3冊で広げる世界:頭の悪すぎる英国紳士たち

文学作品の良し悪しを判断するうえで大切な要素のひとつに、笑いがある。かつて井上ひさしがどこかで「読者を泣かせることは簡単だが、笑わせることは難しい」と書いていた記憶があるが、ここに端的に表れているように、笑いをもたらすというのはとても高度…

3冊で広げる世界:盲人たちが見たもの

ホメロスには盲人だったという説がある。いや、そもそも「ホメロス」という言葉自体が、ギリシア語で「盲人」を意味するそうだ。2世紀の作家、自称ヘロドトス(あくまで自称であって、あの大著『歴史』を書いた紀元前5世紀のヘロドトスとは別人)の『ホメロ…

3冊で広げる世界:意味が意味にならない世界

突然だが、わたしはマイラバが好きだ。マイラバというのはもちろん、歌手のMy Little Loverのことである。熱狂的なファンというのではなく、「好きだ」と公言するわりにはシングルになっている曲ぐらいしか知らないのだが、いまでもしょっちゅう聴いている。…

3冊で広げる世界:大人が読む児童文学

児童文学というのは、文学史的にはかなり近代的な分野である。フィリップ・アリエスなんかの研究に詳しいとおり、そもそもの《子ども》という概念は、歴史学の観点から溯ってようやく17世紀ごろに誕生したものであり、それまで彼らは、江國香織の表現を借り…

3冊で広げる世界:この試みについて

わたしが初めて書店員として仕事に就いたのは18歳のときのことなので、以後企業や店舗、さらには国まで変えながら、もう十年も「本屋さん」でありつづけている。本についてどんなに詳しくても、金融業や保険会社では役に立たない、つまり、そもそもまるで食…