Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

夏への扉

面白い。想像力の最大の到達点がSFなのだと思う。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 

ロバート・A・ハインライン(福島正美訳)『夏への扉』ハヤカワSF文庫、1979年。


原著は1957年。舞台は1970年代と2000年代だ。当時は未来である1970年代を過去として描き、ありとあらゆる伏線が張り巡らされる。
これは、すごい。

ブラッドベリとはまた違った、文明という概念を信頼する主人公ダンに、猫のピート。ハインラインにとって、ありとあらゆる不幸は幸せへのステップに過ぎないのかもしれない。

大したことじゃないが、2000年の「未来」においてはアジア共和国が発足し、日本がその枠から外されていたのが個人的に面白かった。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

 

  追記(2014年9月21日):今買うなら、以下の新版。新訳版もある。新訳版を出しつつも旧訳版を絶版にしないあたり、早川書房には大変好感が持てる。 

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

 
夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]