Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

“文学少女”と死にたがりの道化

生まれて初めて、ライトノベルというものを読みました。

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

 

野村美月“文学少女”と死にたがりの道化ファミ通文庫、2006年。


友人に勧められ、書店で手に取り、「ライトノベルなんて…」と思いながら読んでみると、ポール・ギャリコに関する蘊蓄から始まりました。
ギャリコ、フィッツジェラルド、太宰の作品が散見され、名前だけ出てくる文豪に至っては数え切れません。
文学をこよなく愛する作者による、ライトノベル。矛盾のようなものも感じますが、面白い試みだと思います。

ライトノベルの何がライトかと言うと、ストーリー展開や言葉遣いもあるのでしょうが、テンポが非常に軽かったです。

あっという間に読み終えてしまい、上手いな、と思いました。

ライトノベルだからといって忌避するのは良くないことですね。

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)