Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

ダンス・ダンス・ダンス

読み終わってから深く考えさせられる小説がある。読んでいても何も感慨の湧かない小説もある。
しかし、これはそのどちらでもない。 

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 

村上春樹ダンス・ダンス・ダンス講談社文庫、2004年。


羊をめぐる冒険』で締めくくられる「青春三部作」の四作目。三部作の全てがそうであるように、一つずつが一個の小説として独立した作品。

村上春樹が好きでも、かなり好みが分かれる作品です。

読んでいる最中には深く考えさせられるのに、読み終わってみて何も残っていない。そのかわりに、読み終わってしばらくしてから、猛烈に読み返したくなる作品。

すごい小説です。読み終わってからも仲々その世界観を手放せない。より楽しむためには「青春三部作」の読破が求められますが、大して重要ではありません。

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)