Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

長いお別れ

貴方は、読んでいて犯人が誰だっていいと思えるミステリー小説が、この世に存在していることを簡単に信じられるだろうか。

それは勿論、俄かには信じられないことだ。しかし強制的に信じさせられることがある、ということに比べたら、そんなことは大して重要なことではない。

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
 

レイモンド・チャンドラー清水俊二訳)『長いお別れ』ハヤカワ文庫HM、1976年。


「コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ」。
最早何も言うまい。 

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))