幻獣ムベンベを追え
未確認巨大生物――この荒唐無稽な名詞の本意について、誰しもが一度は考えたことがあるだろう。しかし、考えることと実際に探すということの違いがどれ程のものか、その圧倒的な違いを教えてくれる本がある。
本書は1988年に早稲田大学探検部によって行われた78日間に及ぶ幻獣捜索の記録である。
コンゴ人民共和国(当時)の北部、ボア村の近くに位置するテレ湖に生息するといわれる幻獣「モケーレ・ムベンベ」の伝説の真偽を追った早稲田大学探検部。その滞在がどれ程過酷なものかは我々の想像の範疇を遥かに超えるものである。
ムベンベはどこにいるんだ、ボア村の人達は何を考えているんだ、コンゴの滞在ビザってどうやってとるんだ、早稲田大学探検部は何がしたいんだ。疑問の尽きないストーリーの中にある、確かな手応えを彼らと共に追体験して下さい。