Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

シンプルな情熱

アゴタ・クリストフの翻訳をしている堀茂樹が手掛けた、フランスの女流作家の作品。

シンプルな情熱 (ハヤカワepi文庫)

シンプルな情熱 (ハヤカワepi文庫)

 

アニー・エルノー(堀茂樹訳)『シンプルな情熱』ハヤカワepi文庫、2002年。

女性による女性のための、女性的な作品でした。具体的には、ある強烈な情熱にとり憑かれた女性が、自らの想いを淡々と書き綴っていくものです。
初めて訳者で選んだ小説ですが、僕の試みは失敗に終わったと思います。叙情的な作品なら、日本の女性作家の方が上手に作っている気がします。ただ、フランス人女性の心性が日本のそういった作家のものとほとんど変わらないというのは、ある種の発見ではありました。

シンプルな情熱 (ハヤカワepi文庫)

シンプルな情熱 (ハヤカワepi文庫)