Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室

井上ひさし岩手県一関市で行った講座を元に、編纂された本。 

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)

 

井上ひさし(文学の蔵編)『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』新潮文庫、1998年。


あっという間に読み終えてしまい、最後の方はページを捲るのが勿体ないほどだった。
日本語の単純な点と複雑な点がそれぞれの特徴と共に挙げられており、例えば「湯を沸かす」や「穴を掘る」といった時の「を」という助詞の特殊性や、「象は鼻が長い」という文に見られる助詞「は」と「が」の用法の違いなど、普段当たり前に使っている言葉が如何に複雑怪奇なものであるかが伺え、感銘を受けた。
井上ひさしが著した他の日本語に関する本も読みたいと思える、興味の宝庫のような本である。
井上ひさしの唱えた「恩送り」によって確かに「恩」を受けたからには、ここにその意義を書くことで少しでもそれが送れることを望む。

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)