Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

旅、ときどきライカ

今日、大学生活最後のテストを終えた。「単位が足りない」と唱え続けて4年、ついに僕の単位は、足りたのである。
この記念すべき日を祝って、自分へのプレゼントを買った。中古のマニュアルカメラ、ニコンFEである。
カメラの趣味はホルガから始まったものだったが、おもちゃならではのピントの合わなさ、また露光の調節の難しさから、この趣味はずっと凍結していた。
初めて手に入れた一眼レフに、感動した。今もしている。一眼レフの魅力を語り尽くすのは至難の技だろう。

旅、ときどきライカ (エイ文庫)

旅、ときどきライカ (エイ文庫)

 

稲垣徳文『旅、ときどきライカ』エイ文庫、2005年。


「しっとりとした朝、もしくは黄昏のトワイライトに狙いを定める。この時間帯の柔らかな光は天気を選ばない。曇りでも雨でも、空の青は段階露光を撮ることで白抜きで文字を入れるのに適した濃いブルーにも、墨を載せる淡い水色にもできるだろう」(93ページ)

僕にはライカは早過ぎる。手に取る可能性はほとんど皆無といっていい。
でも、ファインダー越しの世界を切り取る魅力は、追求したいと思った。

旅、ときどきライカ (エイ文庫)

旅、ときどきライカ (エイ文庫)