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「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

土曜の夜と日曜の朝

『長距離走者の孤独』を書いたアラン・シリトーのデビュー長編。

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

 

アラン・シリトー(永川玲二訳)『土曜の夜と日曜の朝』新潮文庫、1979年。

個人的な事情もあり、読み終わるまでに異様な程の時間がかかってしまった。「悪漢物語(ピカレスク)」の手法を用いて、当時のイギリス社会を直接批判している本。

散在する反骨精神は『長距離走者の孤独』と同じものだ。ストーリーの展開が自分の置かれている状況と被り、色々な意味で忘れられない本になりそうだ。

主人公のアーサーほど乱暴になるのは難しいとはいえ、共感する人も多いのではないだろうか。

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)