2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
以前フランスの大学に通っていたときに、教授から奇妙な紙を渡されたことがあった。「好きでしょ?」と言われながら。最上部に「Georges Pérec : Cinquante choses que je voudrais faire avant de mourir」とある。つまり、「ジョルジュ・ペレック:死ぬま…
アンリ・ド・レニエの『水都幻談』の影響で猛烈に読みたくなった、ヴェネツィアを題材にした文学作品。この本の存在はずっと以前から知っていて、購入したのもいつだったか思い出せないほど昔のことなのだが、きっかけを見つけられないまま、結局ずっと本棚…
先日古本屋巡りをしていたら、フランス文学者である窪田般彌のエッセイ集に出会った。『カザノヴァ回想録』を代表作とする訳者だけあって、ヴェネツィアに関するたくさんのことが語られている一冊だ。そこに、レニエの名前もあった。「お、レニエの本、たし…
先日『ムッシュー・テスト』と果たした喜ばしい再会を機に、手に取った一冊。プラトンを範にとった、ヴァレリーによる三篇の対話篇。 エウパリノス・魂と舞踏・樹についての対話 (岩波文庫) 作者: ポールヴァレリー,Paul Val´ery,清水徹 出版社/メーカー: 岩…
友人が書いたとても短い文章に、駆りたてられるようにして読んだ一冊。じつはずいぶん前に読んで、なにひとつ、ほんとうになにひとつ理解できずに、読破を諦めた経験のある本。 ムッシュー・テスト (岩波文庫) 作者: ポールヴァレリー,Paul Val´ery,清水徹 …
岸本佐知子の『気になる部分』と同様、読書に疲れたときに読んでいた一冊。先日『短歌の友人』を読んで以来ずっと気になっていた、穂村弘のエッセイ集。 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2008/09 メディア:…
ルクレティウスや、ほかの大部な本を読みながら、読書に疲れたときに読んでいた本。先日家に遊びにきた友人が本の山から見つけ出してくれたので、読みなおしてみた。 気になる部分 (白水uブックス) 作者: 岸本佐知子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2006/0…
アナトール・フランスは『神々は渇く』で、ルキアノスは『遊女の対話』で、さらにはモンテーニュは『エセー』でこぞって礼讃していた、古代ローマのラテン語黎明期に書かれた、一篇の叙事詩。神保町で発見し、一ヶ月ほどかけてゆっくりと読んだ。 物の本質に…
先日『ヘッセの読書術』を読んだときに、興味をかきたてられた一冊。アリストテレスの弟子にして同時代人、テオフラストスによる愛すべき小品。 人さまざま (岩波文庫 青 609-1) 作者: テオプラストス,森進一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2003/04/16 …
久しぶりに推理小説でも読もう、と思いたち、手に取った一冊。光文社から刊行されている『新訳シャーロック・ホームズ全集』の第三巻にして、「ホームズシリーズ」の記念すべき長篇第一作。 緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫) 作者: …
ラングの『書斎』のなかで何度も言及されていて、読みたくなった本。ずいぶん昔に購入したのにずっと手をつけずにいたので、今がチャンス、とばかりに手に取ってみた。 書物の敵 作者: ウィリアムブレイズ,高宮利行,William Blades,高橋勇 出版社/メーカー: …
先日紹介した『愛書狂』と『書痴談義』のあいだに刊行された、生田耕作と白水社による、もうひとつのすばらしい共作。せっかくなので、三冊すべてを紹介することにした。 書斎 (1982年) 作者: 生田耕作,アンドルー・ラング 出版社/メーカー: 白水社 発売日: …
最近、読書という行為そのものを主題にした書物をたくさん読んでいる。その最中に思い出した、ずっと昔に読んだ一冊。詳しく内容を覚えている部分もいくつかあったが、とても楽しい再読となった。 ヘッセの読書術 作者: ヘルマンヘッセ,フォルカーミヒェルス…