2008-01-01から1年間の記事一覧
江戸川乱歩が『探偵小説の謎』の中で紹介していた小説。探してみると、翻訳が何と生田耕作だった。 第二の顔 (創元推理文庫) 作者: マルセル・エイメ 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2008/03 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (5件)…
メロディを知らなくても唄い出してしまいそうになる、堀口大學による最初の自作詩集。 月光とヒ゜エロ (愛蔵版詩集シリーズ) 作者: 堀口大学 出版社/メーカー: 日本図書センター 発売日: 2006/02/25 メディア: 単行本 クリック: 4回 この商品を含むブログ (2…
柏倉康夫の『敗れし國の秋のはて』を読んだ時に、「パリの街角で民衆が『ナナ』を買うために行列を成していた」という、堀口九萬一による回想が紹介されていた。古典作品はどうも後回しになりがちだから、興味が湧いた時に読まなければならない。そして手に…
堀口大學の父、外交官であった堀口九萬一の人生を追った評伝。 敗れし國の秋のはて 評伝 堀口九萬一 作者: 柏倉康夫 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2008/10/06 メディア: ハードカバー クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 柏倉康夫『敗れし…
日本文学を全く読んでいない私を導いてくれるであろうシリーズ、文庫版『ちくま日本文学』。ほとんどが一人の作家の短編集となっており、作品の選択には編者たちのこだわりが窺える。それらの一冊として出された、江戸川乱歩集。 江戸川乱歩 (ちくま日本文学…
2008年10月に刊行されたばかりの、アルゼンチンの愛書家による書物を巡る素敵な随想集。 図書館 愛書家の楽園 作者: アルベルト・マングェル,野中邦子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2008/09/29 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 27回 この商品を含…
翻訳者である以上に詩人であった堀口大學の、多彩な活動を俯瞰できる一冊。 虹消えず 作者: 堀口大学 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1983/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 堀口大學『虹消えず』新潮社、1983年。
2007年より刊行の始まった新シリーズ、「ハヤカワepiブックプラネット」の創刊第一弾として発売された、タイ人の作家による短編集。 観光 (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者: ラッタウット・ラープチャルーンサップ,古屋美登里 出版社/メーカー: 早川書…
後期ロマン派に分類されるクライストの代表作。 ミヒャエル・コールハースの運命―或る古記録より (岩波文庫) 作者: クライスト,吉田次郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1941/06/28 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (11件…
ラテンアメリカ体験第二弾。ガルシア=マルケスが『百年の孤独』と『族長の秋』の間に描いた、あまりにも南米らしい魔術的短編集。 エレンディラ (ちくま文庫) 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直,木村栄一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1988/12/…
眠る前に読む本を選ぶときには、薄いものを開いたりしない方が良い。パラパラ読み始めたつもりが、途中で止めることもできずに読み終えてしまうからだ。 カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑) 作者: ダニエルペナック,Daniel Pennac,…
悔しいとしか言いようがない。読後にどんな感覚に襲われるか、不安に包まれたまま読み進めていた。まさか途中で終わりもしないだろう、と思っていた矢先に、物語は完結した。あまりにも見事に、きめられた。悔しいとしか言いようがない。 冬の夜ひとりの旅人…
文学通を気取るのならば、ラテンアメリカは避けられない。だが僕がこれまでに読んだラテンアメリカの本はガルシア・マルケスの『戒厳令下チリ潜入記』だけだった。「ラテンアメリカ文学」ではなく「ラテンアメリカの本」と書いたのは、ガルシア・マルケスの…
なんてこった、読み終わってしまった。深夜2時にパラパラと捲り始め、気付いたら4時になってしまっていた。 影をなくした男 (岩波文庫) 作者: シャミッソー,Adelbert von Chamisso,池内紀 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1985/03/18 メディア: 文庫 購…
ミヒャエル・エンデ、エーリヒ・ケストナーと共に、ドイツでは三大児童文学作家と遇されているジェイムス・クリュスの代表作。 笑いを売った少年 作者: ジェイムスクリュス,James Kr¨uss,森川弘子 出版社/メーカー: 未知谷 発売日: 2004/03 メディア: 単行本…
三冊しかない「晶文社アフロディーテ双書」の一冊。英国の詩人スウィンバーンの著作として一応議決されているものの、著者が誰であるかの確証は未だに存在しないようだ。 フロッシー 作者: A・C・スウィンバーン,江藤潔 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 200…
かつて白水社から刊行されていた、「マンディアルグ短編集」シリーズの三冊目。だが、原書の刊行年を見ると、これはマンディアルグの第一の短編集である。 黒い美術館―マンディアルグ短篇集 作者: マンディアルグ,生田耕作 出版社/メーカー: 白水社 発売日: …
生田耕作が翻訳を手がけた、フランス文学の傑作。 女と人形 (アフロディーテ双書) 作者: ピエールルイス,生田耕作 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2003/04/01 メディア: 単行本 クリック: 4回 この商品を含むブログ (15件) を見る ピエール・ルイス(生田…
生田耕作が手がけた、フランス文学の巨峰、セリーヌのデビュー作。 夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫) 作者: セリーヌ,Louis‐Ferdinand C´eline,生田耕作 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2003/12 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 224回 この商品…
昨日神保町の小宮山書店で買った本。5000円もしたのに、もう読み終わってしまった。 卑怯者の天国―生田耕作発言集成 作者: 生田耕作 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 1993/09 メディア: 単行本 購入: 1人 この商品を含むブログ (1件) を見る 生田耕作『卑…
一時、世界から忘れられていた、20世紀初頭のフランス文学。 ぼくのともだち 作者: エマニュエル・ボーヴ,渋谷豊 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2005/11/15 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (35件) を見る エマニュエル…
友人がミルハウザーをこんな風に評価していた。「トーマス・マンとボルヘスを足して二で割ったような感じ」。どんな感じだ。 イン・ザ・ペニー・アーケード (白水Uブックス―海外小説の誘惑) 作者: スティーヴンミルハウザー,Steven Millhauser,柴田元幸 出版…
エンデによる奇跡の名作。大人が読むべき、何度でも読み返すべき、児童文学。 モモ (岩波少年文庫(127)) 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2005/06/16 メディア: 新書 購入: 41人 クリック: 434回 この商品を含むブロ…
古典や民話を題材にして中期の太宰が著した、新しいお伽噺の数々。 お伽草紙 (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/03 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 47回 この商品を含むブログ (77件) を見る 太宰治『お伽草紙』新潮文庫、…
白樺派なのか、そうでないのか、いよいよわからなくなってきた。 文章の話 (岩波文庫) 作者: 里見トン 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1993/01/18 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (9件) を見る 里見とん『文章の話』岩波文庫、1993…
『走れメロス』中の「東京八景」にてその創作の過程が記されていた、最も初期の太宰に依る、処女創作集。 晩年 (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/10 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 104回 この商品を含むブログ (125件) …
太宰の代表作と目される、「走れメロス」を含む短編集。 走れメロス (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/02 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 124回 この商品を含むブログ (171件) を見る 太宰治『走れメロス』新潮文庫、1967…
高校生の頃に愛読した「舞姫」を、再び読みたくなり手に取った本。 舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0) 作者: 森鴎外 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1981/01/16 メディア: 文庫 クリック: 13回 この商品を含むブログ (32件) を見る 森鴎外『舞…
小林秀雄の論じた、文庫本で40ページ程度の源実朝。 モオツァルト・無常という事 (新潮文庫) 作者: 小林秀雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1961/05/17 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 54回 この商品を含むブログ (94件) を見る 小林秀雄「実朝」『…
鎌倉幕府第三代将軍、源実朝を謳った太宰治の短編。 惜別 (新潮文庫) 作者: 太宰治 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2004/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (47件) を見る 太宰治「右大臣実朝」『惜別』所収、新潮文庫、19…