Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

雑記:海外文学おすすめ作家ベスト100(2014年版)

2011年を最後に更新していなかった、いわゆる「好きな作家ベスト100」を掲載する。公開した途端に後悔する、という、あれである。名前が「好きな作家ベスト100」でなくなったのは、「好きな」というのと「ベスト」というのが、同じことを意味していることに…

Slapstick

すこし前の『It Never Rains』が大変楽しかったので、もっと読みたいと思って手にとったRoger McGoughの詩集。こちらはPenguinグループのなかでも子ども向けのPuffinから刊行されているもので、ほとんどすべての詩が挿絵付きと、大変贅沢な本である。 Slapst…

A Child's Garden of Verses

つい先日の『Little Book of Poems for Young Children』でも紹介されていた、スティーヴンスンによる子どものための詩集。先日の記事では「A Good Play」と「Bed in Summer」、それから「Young Night Thought」の3つを訳出してみたが、ほかにもたくさんいい…

It Never Rains

読んだばかりのアンソロジー『Little Book of Poems for Young Children』が教えてくれた何人もの詩人のうち、とくに興味をもったひとりRoger McGoughの、先月刊行されたばかりの最新詩集。 It Never Rains 作者: Roger McGough 出版社/メーカー: Penguin 発…

Little Book of Poems for Young Children

ヴァージニア・ウルフの『自分だけの部屋』を読んでいたら、クリスティナ・ロセッティなどの魅力的な詩が紹介されていて、そういえば英語で詩を読んだことがない、と気づき、勤め先の書店の棚から抜き出した一冊。いきなりブラウニングやキーツなどを読もう…

自分だけの部屋

アディーチェの新刊『We Should All Be Feminists』を読んだことで、ずいぶん前に、友人から薦められたのを思い出した一冊。薦めてくれたのはアディーチェのときと同じ、マレーシア人の女の子である。彼女は「フェミニズム批評」というものに大変な関心を持…

仮面の商人

小笠原豊樹の訃報が届いてから、早くも一週間が経った。一週間前、ちょうど『背骨のフルート』について書いたころであるが、わたしは自分でも驚くほど打ちのめされてしまっていて、ひどく沈んでいたものだ。自然、追悼の気持ちが高まってきて、はからずも生…

The Perks of Being a Wallflower

英語で読んだ2冊めの本、と書いて、ああ、そういえばアディーチェも読んだんだった、とすぐに思いなおした。でも、あれは50ページほどの講演をまとめたものなので、換算すべきではないだろう。『Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe』…

盗まれた細菌/初めての飛行機

ブルガーコフの『悪魔物語・運命の卵』を読んでいたときに、「生物の巨大化」という観点からウェルズの『The Food of the Gods(神々の糧)』が紹介されていて、そういえば久しくこの作家に触れていないな、と思い、手にとった一冊。買ったのはずいぶん前の…

背骨のフルート

今日のニュースで知ったばかりなのだが、小笠原豊樹さんが亡くなられたそうだ。先日から著書の『マヤコフスキー事件』、訳業である「マヤコフスキー叢書」を、このブログでも立て続けに紹介していたところだったので、大きなショックを受けた。『マヤコフス…

We Should All Be Feminists

職場の友人たちが興奮気味に本の話をしていたので、「なになに、なんの本の話?」と首を突っ込んでみたところ、自分では絶対に手に取らなさそうな本を目の前に突きつけられた。彼女たちは声高に、「あなたこそこの本を読むべきだ」としつこく(失礼)言って…

悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー

先日の『ズボンをはいた雲』に引き続き、土曜社刊「マヤコフスキー叢書」の一冊。これはほんとうに気安く手に取れる、奇跡みたいにすばらしいシリーズである。読み終えたのはじつはもう一週間以上も前のことなのだが、先日の『ズボンをはいた雲』同様、これ…