Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

テーマ-絶望

若きウェルテルの悩み

アナトール・フランスの『神々は渇く』のなかで効果的に使われているのを見てから、読みたい読みたいと思っていた一冊。古典作品は関心が向いたら手に取れ、むしろ関心が向くまで手に取るな、を信条としているわたしとしては、今がそのタイミングだった。 若…

地獄

向田邦子のエッセイ『父の詫び状』のなかで、魅力が語られていた一冊。日本でもフランスでも、今ではほとんど忘れられてしまった作家、バルビュスが1908年に発表した作品。 地獄 (岩波文庫 赤 561-1) 作者: アンリ・バルビュス,田辺貞之助 出版社/メーカー: …

嘔吐

パリのジュンク堂で定価の二倍以上の金額を出してまで手に入れた一冊。たいして厚い本でもないのに、ようやく読み終えたのは日本に帰国してからのことだった。 嘔吐 新訳 作者: J‐P・サルトル,鈴木道彦 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2010/07/20 メディ…

キャッチャー・イン・ザ・ライ

前に春樹訳の『グレート・ギャツビー』を読んでから、ずっと読み直したいと思っていたサリンジャー。『1Q84』が予想以上に良かったので手に取ってみた。 キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) 作者: J.D.サリンジャー,J.D. Salinger…

きみのいもうと

「気だるさ」と「やるせなさ」、世界から忘れられていた作家、エマニュエル・ボーヴ再び。 きみのいもうと 作者: エマニュエルボーヴ,Emmanuel Bove,渋谷豊 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2006/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含…

あまりにも騒がしい孤独

松籟社による「東欧の想像力」シリーズの一冊として出された、チェコの作家ボフミル・フラバルの代表作。 あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2) 作者: ボフミル・フラバル,石川達夫 出版社/メーカー: 松籟社 発売日: 2007/12/14 メディア: 単行本 購入: …

夜の果てへの旅

生田耕作が手がけた、フランス文学の巨峰、セリーヌのデビュー作。 夜の果てへの旅〈上〉 (中公文庫) 作者: セリーヌ,Louis‐Ferdinand C´eline,生田耕作 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2003/12 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 224回 この商品…

ぼくのともだち

一時、世界から忘れられていた、20世紀初頭のフランス文学。 ぼくのともだち 作者: エマニュエル・ボーヴ,渋谷豊 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2005/11/15 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (35件) を見る エマニュエル…

ドルジェル伯の舞踏会

『肉体の悪魔』とは全く異なる、ラディゲの遺作。 ドルジェル伯の舞踏会 (新潮文庫) 作者: ラディゲ,生島遼一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1953/08/27 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (11件) を見る レイモン・ラディゲ…

肉体の悪魔

あまりにも早熟な若者が描いた、悲劇。 肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫) 作者: ラディゲ,中条省平 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/01/10 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (36件) を見る レーモン・ラディゲ(中条省平…

セールスマンの死

一昨年創刊されたハヤカワ演劇文庫の、記念すべき第一期配本。 アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫) 作者: アーサー・ミラー,倉橋健 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2006/09/20 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 47回 この商品…