Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

配架-アルジェリア文学

L'étranger

初めてこの本を読んだ日のことは決して忘れることができない。その頃まだ高校生だった私は、学校の帰りに紀伊國屋書店新宿南店に寄り、京王線の中でわくわくしながらこの本を開いた。そして気がついたときには、自分の降りるべき駅を通り過ぎてしまっていた…

転落

最近諸事情から読書に時間を割くことがほとんどできないでいる。そんな時に手に取った、慌ただしい読書を徹底的に拒む本。おそらく最も手に取ったはいけなかった類いの書物。 転落・追放と王国 (新潮文庫) 作者: カミュ,大久保敏彦,窪田啓作 出版社/メーカー…

カブールの燕たち

昨日、東京日仏学院で講演を行ったアルジェリア人がいる。ヤスミナ・カドラである。最新作『昼が夜に負うもの』の翻訳刊行記念講演会で、これが日本に紹介された三冊目の作品となった。翻訳作品は今のところアフガニスタン、パレスチナ、アルジェリアと小説…

昼が夜に負うもの

今年の10月に刊行されたばかりの、ヤスミナ・カドラの翻訳三冊目。『カブールの燕たち』でアフガニスタン、『テロル』ではパレスチナを描いたアルジェリア出身作家が、とうとう描いたアルジェリアの世界。 昼が夜に負うもの (ハヤカワepiブック・プラネット)…

テロル

女性の名前という覆面の下に社会学者と作家という二つの顔を隠し持つ、ヤスミナ・カドラ。フランスに帰化したアルジェリア出身の作家で、最近三冊目の翻訳『昼が夜に負うもの』が刊行されたばかり。 テロル (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者: ヤスミナ…