Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大学の歴史

『不純なる教養』を読んで知った、大学という概念を捉えなおすための一冊。最近人文系の本ばかり読んでいるのは、世界観に入り込む必要のない人文書の気安さが心地良いから。でも、こう人文書続きの生活を送っていると無性に文学が読みたくなってもくる。素…

不純なる教養

大学生の頃、僕にとって重要だったのは授業に出席することではなく、喫煙所において彼の話を聞くことだった。そんな僕の人生を徹底的に狂わせた男、白石嘉治氏による初めての単著。 不純なる教養 作者: 白石嘉治 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2010/04/23…

お気に召すまま

最近長篇小説ばかり読んでいたため無性に読みたくなったシェイクスピア。タイミング良く、友人がこの本を読みたいと話していたことを思い出した。 シェイクスピア全集 (〔21〕) (白水Uブックス (21)) 作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志 出版社/メ…

感情教育

サイードが『知識人とは何か』の中で紹介していた「知識人を扱った小説」の最後の一冊。ツルゲーネフの『父と子』とジョイスの『若い藝術家の肖像』を越えて、ようやくこのフロベールの『感情教育』に辿り着いた。 感情教育 上 (河出文庫) 作者: ギュスター…

若い藝術家の肖像

サイードが『知識人とは何か』のなかで紹介していた「知識人が登場する小説」は三作、ツルゲーネフの『父と子』とフロベールの『感情教育』、そしてこのジェイムズ・ジョイスの『若い藝術家の肖像』だった。既読だったのは喜ばしいことにツルゲーネフのみで…