Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴルギアス

プラトンの対話篇のなかでも、かなり長い作品。中公クラシックス版『ソクラテスの弁明ほか』に収められたものも、これで最後。 ソクラテスの弁明ほか (中公クラシックス (W14)) 作者: プラトン,田中美知太郎,藤沢令夫 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日:…

クリトン

『ソクラテスの弁明』と併録されることのきわめて多い、裁判後のソクラテスとその友クリトンとの対話を描いた掌篇。どれくらい掌篇かと言うと、わずか40ページほどの作品である。 ソクラテスの弁明ほか (中公クラシックス (W14)) 作者: プラトン,田中美知太…

ソクラテスの弁明

先日『プロタゴラス』を読んで、前にプラトンを読んだのがもうずいぶん昔のことのように思われたので、本棚から学生時代に読んだ一冊を取りだしてきて、再読した。 ソクラテスの弁明ほか (中公クラシックス (W14)) 作者: プラトン,田中美知太郎,藤沢令夫 出…

プロタゴラス

じつに久しぶりな光文社古典新訳文庫。パラパラとページをめくっていたつもりが、あまりの読みやすさに一気に読み終えてしまった。 プロタゴラス―あるソフィストとの対話 (光文社古典新訳文庫) 作者: プラトン,中澤務 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2010/…

遊女の対話

エラスムスの『痴愚神礼讃』に幾度となく引用され、ラブレーも愛したと伝えられるローマ時代の諷刺家、ルキアノスの作品集。 遊女の対話―他三篇 (岩波文庫 赤 111-2) 作者: ルーキアーノス,高津春繁 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1961/04/25 メディア:…

父の詫び状

手に取ったきっかけは、少しばかり前にNHK・BSでやっていた「猫を愛した芸術家たち」という特別番組だった。四夜連続で放送され、日ごとに違った芸術家が取り上げられていて、そのうちの一回が向田邦子だったのだ。ちなみにほかの三人は内田百閒、夏目漱石、…

痴愚神礼讃

フランスの大学で歴史の授業を受けていたときに、教授がぽつりと言った。「デカルト、ルソー、ヴォルテールといった、フランス革命を思想的に準備した思想家たち全員に、多大な影響を与えた人物がいた」。それが、エラスムスだった。 痴愚神礼讃 (中公クラシ…

柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

ずっと前に友人がだれかに薦めていた本。たまたま手に取ってパラパラと開いていたら、気がついたら読み終えてしまっていた。 柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 作者: 柴田元幸,高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2009/03/1…

異国トーキョー漂流記

先日友人と会った折に、「外国から戻ってくると、今まで当たり前だと思っていた風景が日本独特のものだとわかる」というような話をした。それを受けて友人が薦めてくれた一冊。 異国トーキョー漂流記 (集英社文庫) 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 集英社 …