Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

テーマ-ギリシア神話

アンティゴネ

読み終えたのはずいぶん前なのに、書く時間を見つけられないまま放っておいてしまったブレヒト。この本が思い出させてくれたマヤコフスキーの『戦争と世界』を先に記事にしてしまったほどだ。ソフォクレスの『アンティゴネ』に対する、ブレヒト流の改作・翻…

トロイ戦争は起こらない

アナトール・フランスの『舞姫タイス』を読んでいて一気に再発したユマニスム熱に応えるべく手に取ったジロドゥの作品。ジロドゥはまだ『オンディーヌ』しか読んだことがなかったものの、あの一作だけでもすでにこの作家が自分の期待に応えてくれることは明…

舞姫タイス

こいつ、マジでやりやがった。読み終えた瞬間に抱いた想いを、ざっくばらんに書くとこんな感じになる。アナトール・フランスのやつ、ほんとうにやりやがった、と。つい三十分ほど前のことで、まだ興奮が醒めていない。居ても立ってもいられなくなってしまい…

トロイラスとクレシダ

スウィンバーンによって「ヒュドラの頭を持った途方もない怪物」と呼ばれた、シェイクスピア版トロイア戦争。 シェイクスピア全集 (〔24〕) (白水Uブックス (24)) 作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 1983/01 メ…

無知

ミラン・クンデラが祖国チェコを舞台に描いた、郷愁の叙事詩。 無知 作者: ミランクンデラ,Milan Kundera,西永良成 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2001/03 メディア: 単行本 クリック: 8回 この商品を含むブログ (7件) を見る ミラン・クンデラ(西永良成…

宇宙舟歌

『オデュッセイア』を読んでいた私にSFを愛する友人が勧めてくれた一冊。ラファティによって書かれた宇宙版『オデュッセイア』。 宇宙舟歌 (未来の文学) 作者: R.A.ラファティ,R.A. Lafferty,柳下毅一郎 出版社/メーカー: 国書刊行会 発売日: 2005/10 メデ…

ホメロス伝

岩波文庫版『イリアス』下巻に併収されている、ホメロスの伝記。 イリアス〈下〉 (岩波文庫) 作者: ホメロス,Homeros,松平千秋 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1992/09/16 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (36件) を見る…

イリアス

先頃紹介した『オデュッセイア』の10年以上も前に起こった、トロイア戦争の物語。 イリアス〈上〉 (岩波文庫) 作者: ホメロス,Homeros,松平千秋 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1992/09/16 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 53回 この商品を含むブロ…

私のギリシャ神話

小説家の阿刀田高が語る、予備知識ゼロから楽しめるギリシャ神話。語り口があまりに軽妙過ぎて発売当初に一度読んでいるのに、面白くあっという間に再読できた。 私のギリシャ神話 (集英社文庫) 作者: 阿刀田高 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2002/12 メ…

オデュッセイア

世界最古の文学は、ホメロスの叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』である。『イリアス』はトロイア戦争を語ったもの、そして『オデュッセイア』はその続編たる、英雄オデュッセウスの漂流の物語である。 ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫) 作者:…

オイディプス王・アンティゴネ

ギリシア三大詩人、ソフォクレスの「オイディプス王」を収録した戯曲です。 『海辺のカフカ』を読んでから気になっていたため、初めて手に取ることとなりました。 オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫) 作者: ソポクレス,福田恒存 出版社/メーカー: 新潮…