言語-英語の本
先日『伝奇集』について書いた折、「記事にできるまで数週間かかるかも……」なんて言っていたボルヘスの対談集。まさか本当にこれほど時間がかかるとは思っていなかったのだが、いまわたしに起こっている空前のボルヘスブームは、じつはこの本が火付け役だっ…
またしてもすこし時間が空いてしまった。英語で本を読むとき、読むのにかかる時間は日本語の本よりもほんの少し長いくらいなのだけれど、それを記事にしようとすると、なんだか拙い訳文を付けずにはいられなくなって、結果的に読むのの倍以上の時間がかかっ…
気づけば早くも三冊目のオーウェル評論集。いつからそんなにオーウェルが好きになったんだよ、と、自分でもちょっと笑ってしまうが、この作家の読みやすさは圧倒的で、英語で本を読んでみたい、というようなひとは、もうみんなオーウェルの評論からはじめれ…
一冊の本の記事を書くのに、これほど時間をかけたのは久しぶりだ。なにもそんなにマジにならなくても、とは自分でも思ったのだが、せっかく英語の本をわざわざ紹介するのだから、気に入った箇所くらいはぜんぶ自分で訳してみなくては、と思ってしまったのだ…
突然だが、どうもわたしはヘビースモーカーらしい。らしい、なんて言うのは、わたしのように煙草を吸うことに後ろめたさなどぜんぜん感じない喫煙者は、一日に何本吸ったかなど、わざわざ数えることはしないと思うのだ。かばんには常に最低でも二箱は携帯し…
先日、アルジェリア人の友人と「ほんとうに翻訳不可能な文学とはなにか」という話題で盛り上がったのだが、彼がジョルジュ・ペレックの『煙滅』、およびその対を成す『Les Revenentes』の名をあげるのを聞いていたら、ほんとうのところは「翻訳可能な文学」…
昨年末から気に入っているRoger McGoughの詩集。『It Never Rains』、『Slapstick』、『An Imaginary Menagerie』を経て、気づけばもう四冊目である。何度も繰り返していることではあるが、この気安さはまちがいなく価値である。 Pillow Talk: A Book of Poe…
英語で書かれた児童文学を読むのがこのところ空前のブームになっているのだが、じつはこれにどっぷり浸かりはじめたのは昨年末のことで、E・B・ホワイトの『Charlotte's Web』や『Stuart Little』を読んでいたのは、ちょうどあの無闇に長い「雑記:海外文学…
書店で児童文学の棚を眺めているときに目に止まった一冊。シルヴィア・プラスが児童文学を書いているとは知らなかったので、興味本位に手を伸ばしてみた。 The it Doesn't Matter Suit and Other Stories (Faber Children's Classics) 作者: Sylvia Plath 出…
先日記事にした『Charlotte's Web』に引き続き、E・B・ホワイトのもうひとつの代表作。映画化もされて一時期話題になったものの、まだまだ日本ではあまり知られていない、とはいえ英語圏では知らないひとなどいない、という類の児童文学。 Stuart Little 60t…
このところ、英語で本を読むのがとても楽しい。と言っても、どんな本でも読めるというわけではない。語彙ももちろんそうだが、微妙な語感であったり、まだそういうものに十分に敏感であるとはぜんぜん言えないのだ。大人向けに書かれた本は、まだ手に負えな…
年末に公開した「雑記:海外文学おすすめ作家ベスト100」が好評を博したようで、とても喜んでいる。評価し、広めてくれた方々、ありがとうございました。あけましておめでとうございます。年始早々、「おれって人気者じゃん!」なんて馬鹿げた考えに取り憑か…
すこし前の『It Never Rains』が大変楽しかったので、もっと読みたいと思って手にとったRoger McGoughの詩集。こちらはPenguinグループのなかでも子ども向けのPuffinから刊行されているもので、ほとんどすべての詩が挿絵付きと、大変贅沢な本である。 Slapst…
つい先日の『Little Book of Poems for Young Children』でも紹介されていた、スティーヴンスンによる子どものための詩集。先日の記事では「A Good Play」と「Bed in Summer」、それから「Young Night Thought」の3つを訳出してみたが、ほかにもたくさんいい…
読んだばかりのアンソロジー『Little Book of Poems for Young Children』が教えてくれた何人もの詩人のうち、とくに興味をもったひとりRoger McGoughの、先月刊行されたばかりの最新詩集。 It Never Rains 作者: Roger McGough 出版社/メーカー: Penguin 発…
ヴァージニア・ウルフの『自分だけの部屋』を読んでいたら、クリスティナ・ロセッティなどの魅力的な詩が紹介されていて、そういえば英語で詩を読んだことがない、と気づき、勤め先の書店の棚から抜き出した一冊。いきなりブラウニングやキーツなどを読もう…
英語で読んだ2冊めの本、と書いて、ああ、そういえばアディーチェも読んだんだった、とすぐに思いなおした。でも、あれは50ページほどの講演をまとめたものなので、換算すべきではないだろう。『Aristotle and Dante Discover the Secrets of the Universe』…
職場の友人たちが興奮気味に本の話をしていたので、「なになに、なんの本の話?」と首を突っ込んでみたところ、自分では絶対に手に取らなさそうな本を目の前に突きつけられた。彼女たちは声高に、「あなたこそこの本を読むべきだ」としつこく(失礼)言って…
職場の同僚であるスリランカ人とパレスチナ人の女の子たちから、同時に薦められた本。英語の本を読むのはじつに久しぶりで、正直不安でいっぱいだったのだが、意外にもすんなり読み進められてちょっと興奮した。メキシコ系アメリカ人の書いた、アメリカでは…