Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

テレビの罠――コイズミ現象を読みとく

最近「良書」ばっかり読んでいるな、と思っていた矢先に不意打ちを受けました。 久々にこんなにひどい本を読んだ。びっくりしました。 大学の友人に薦められて買ったものの、ものすごい金の無駄をした気がします。 友人が冗談で薦めていた可能性に期待するば…

寝ながら学べる構造主義

ちょっと前に挙げた内田樹の構造主義入門書。 「構造主義」というイデオロギーを理解している人がどれだけいるでしょうか? 僕は口が裂けても「理解している」なんて言えないので、人に聞かれたらこの本を薦めています。 寝ながら学べる構造主義 (文春新書) …

増殖する「ナショナリズム」の正体――なぜハマるのか

今回は本では無く、講演報告を紹介します。 宮台真司の友人ということで忌避していた北田暁大の講演です。まず書いておかなければならないのは、良いこと言ってる。避けていたのは間違いだったと、書かなければならないです。 批判すべき箇所も多々みられる…

愛と暴力の現代思想

『無産大衆神髄』の時に少し触れた、矢部史郎・山の手緑の新刊。ようやく読み終わりました。 愛と暴力の現代思想 作者: 矢部史郎,山の手緑 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2006/04 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 54回 この商品を含むブログ (31件)…

ナショナリズムの克服

驚いた。たまたま姜尚中の講演に行くから一冊適当な本でも読もう、と思って手に取った新書にこれほど楽しませてもらえるとは、全く予想していなかった。 戦後後期におけるナショナリズムに興味を持っていたから手に取ったにすぎないような読者をここまで惹き…

パリ歴史探偵術

2005年だかに講談社現代新書の装丁が変わったじゃないですか。 絶対昔のほうが良かったですよね。 愚痴から始めてごめんなさい。 今回は僕をパリへと旅立たせた本を紹介します。 パリ歴史探偵術 (講談社現代新書) 作者: 宮下志朗 出版社/メーカー: 講談社 発…

フランス7つの謎

僕は基本的に高い本を買えないので、安い新書を読むことが多いです。新書は非常に様々なジャンルを持ったプロダクトで、それ自体で完結することを目的としていないため結局のところ触発されて、高い本をいつの間にか買っているということも少なくないのです…

靖国問題

『日本という国』以来、やっと読んだばかりの本を評価することができます。この本は周知の通り、「靖国問題の決定的論考」と評され、相当な冊数が売れた本です。 靖国問題 (ちくま新書) 作者: 高橋哲哉 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2005/04 メディア:…

料理人

専門書ばかり紹介しても面白くないので、小説も紹介することにしました。 折角紹介するのなら、普通に生きていたら手に取らないような小説を紹介したいと思います。というわけでハリー・クレッシング。 料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11) 作者: ハリー・クレッシン…

シラクのフランス

記念すべき第三弾はジャーナリスト軍司泰史。もうみんな気づいているとは思うけど、とりあえず何か新しく読むまでは、前に読んだオススメ本を書いていきます。というわけで評価の星の数が多いのは必然によるものです。 シラクのフランス (岩波新書) 作者: 軍…