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Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

The It-Doesn't-Matter Suit

書店で児童文学の棚を眺めているときに目に止まった一冊。シルヴィア・プラスが児童文学を書いているとは知らなかったので、興味本位に手を伸ばしてみた。 The it Doesn't Matter Suit and Other Stories (Faber Children's Classics) 作者: Sylvia Plath 出…

柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方

ずっと前に友人がだれかに薦めていた本。たまたま手に取ってパラパラと開いていたら、気がついたら読み終えてしまっていた。 柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 作者: 柴田元幸,高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2009/03/1…

見知らぬ島への扉

『白の闇』が予想外に面白かったため、手にとってみた二冊目のサラマーゴ。インターネットで注文したため、届いた時にはあまりの薄さに仰天した。 見知らぬ島への扉 作者: ジョゼサラマーゴ,Jos´e Saramago,黒木三世 出版社/メーカー: アーティストハウス 発…

水族館のはなし

『時刻表2万キロ』、『病牀六尺』に続く読書クラブ「伝奇集会」の第三回課題図書。メンバーでの遠足を考慮に入れた、新しい観点による選書である。 水族館のはなし (岩波新書) 作者: 堀由紀子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1998/08/20 メディア: 新書…

マルタン君物語

江戸川乱歩が『第二の顔』を絶賛したことによって知られる、奇想家マルセル・エイメの短篇集。 マルタン君物語 (ちくま文庫) 作者: マルセルエーメ,江口清 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1990/04/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る …

ランボー詩集

シュルレアリストたちに大きな影響を与えたフランス象徴派・三大詩人の一人、ランボー。 ランボー詩集 (新潮文庫) 作者: ランボー,堀口大学 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1951/10/23 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 50回 この商品を含むブログ (18…

時刻表2万キロ

友人たちと読書会のようなものを開くことになった。月毎に課題図書を策定して、それを各自が読む。そして毎月の会合の際に感想を語り合うのだ。課題図書はメンバーの一人が当番制で推薦する。四人しかいない上に、みんな凄まじい読書家だから、安心して推薦…

ラビット病

1990年に刊行された、普段のものとはかなり違った趣の山田詠美。 ラビット病 (新潮文庫) 作者: 山田詠美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1994/10/28 メディア: 文庫 クリック: 11回 この商品を含むブログ (35件) を見る 山田詠美『ラビット病』新潮文庫、1…

トロイラスとクレシダ

スウィンバーンによって「ヒュドラの頭を持った途方もない怪物」と呼ばれた、シェイクスピア版トロイア戦争。 シェイクスピア全集 (〔24〕) (白水Uブックス (24)) 作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 1983/01 メ…

神さまの話

堀辰雄も愛した詩人リルケの、子どものために大人に聞かせる神さまの物語。 神さまの話 (新潮文庫) 作者: リルケ,谷友幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1953/06/12 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (12件) を見る ライナー…

きみのいもうと

「気だるさ」と「やるせなさ」、世界から忘れられていた作家、エマニュエル・ボーヴ再び。 きみのいもうと 作者: エマニュエルボーヴ,Emmanuel Bove,渋谷豊 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2006/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含…

ためらい

現代フランスの作家、ジャン=フィリップ・トゥーサンによる、四作目の小説。 ためらい 作者: ジャン・フィリップトゥーサン,Jean Philippe Toussaint,野崎歓 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1992/12 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ…

隊長ブーリバ

『鼻』や『外套』、『死せる魂』で知られるロシア(ウクライナ)の文豪、ゴーゴリの作品。 隊長ブーリバ (潮文学ライブラリー) 作者: ニコライゴーゴリ 出版社/メーカー: 潮出版社 発売日: 2000/12/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 3…

愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑

何か軽く読めるものを、と手に取り、すぐさま、とんだ思い違いをしたことに気が付いた。見た目の薄さからは想像もできないほどに、重厚な小説。 愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫) 作者: ムージル,Robert Musil,古井由吉 出版社/メーカー: 岩波書…

居酒屋

柏倉康夫の『敗れし國の秋のはて』を読んだ時に、「パリの街角で民衆が『ナナ』を買うために行列を成していた」という、堀口九萬一による回想が紹介されていた。古典作品はどうも後回しになりがちだから、興味が湧いた時に読まなければならない。そして手に…

ミヒャエル・コールハースの運命

後期ロマン派に分類されるクライストの代表作。 ミヒャエル・コールハースの運命―或る古記録より (岩波文庫) 作者: クライスト,吉田次郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1941/06/28 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (11件…

カモ少年と謎のペンフレンド

眠る前に読む本を選ぶときには、薄いものを開いたりしない方が良い。パラパラ読み始めたつもりが、途中で止めることもできずに読み終えてしまうからだ。 カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑) 作者: ダニエルペナック,Daniel Pennac,…

文章の話

白樺派なのか、そうでないのか、いよいよわからなくなってきた。 文章の話 (岩波文庫) 作者: 里見トン 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1993/01/18 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (9件) を見る 里見とん『文章の話』岩波文庫、1993…

旅に出ても古書店めぐり

一年前に絶賛した『古書店めぐりは夫婦で』の続編。 旅に出ても古書店めぐり (ハヤカワ文庫NF) 作者: ローレンスゴールドストーン,ナンシーゴールドストーン,Lawrence Goldstone,Nancy Goldstone,浅倉久志 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2001/02 メディ…

どちらでもいい

今月文庫化された、ハンガリーからの亡命作家、アゴタ・クリストフによる短編集。 どちらでもいい (ハヤカワepi文庫) 作者: アゴタクリストフ,堀茂樹 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/05/08 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含む…

嵐が丘

「名作中の名作」と呼ばれ、サマセット・モームの『世界十大小説』にも選出された一冊。 嵐が丘(上) (岩波文庫) 作者: エミリー・ブロンテ,河島弘美 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/02/17 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 11回 この商品を含む…

出版社と書店はいかにして消えていくか

『出版業界の危機と社会構造』を著した小田光雄の、その前身となった出版業界論。 出版社と書店はいかにして消えていくか―近代出版流通システムの終焉 作者: 小田光雄 出版社/メーカー: ぱる出版 発売日: 1999/06 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を…

こんな書店で本を買いたい

業界研究の一環として手に取った本。 こんな書店で本を買いたい―書店の秘密 作者: 池田良孝 出版社/メーカー: 日本経営協会総合研究所 発売日: 2000/11 メディア: 単行本 クリック: 9回 この商品を含むブログを見る 池田良孝『こんな書店で本を買いたい』日…

宝島

児童文学の名作、新訳で復活。 宝島 (光文社古典新訳文庫) 作者: スティーヴンスン,村上博基 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/02/07 メディア: 文庫 クリック: 9回 この商品を含むブログ (18件) を見る ロバート・ルイス・スティーヴンスン(村上博基訳…

羅生門・鼻

芥川の作品群の内、「王朝もの」八篇を収めたもの。 羅生門・鼻 (新潮文庫) 作者: 芥川龍之介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/10 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (89件) を見る 芥川龍之介『羅生門・鼻』新潮文庫、19…

青空チェリー

吉祥寺のブックスルーエで力強いポップと共に売られていた本。 青空チェリー (新潮文庫) 作者: 豊島ミホ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/07/28 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (65件) を見る 豊島ミホ『青空チェリー…

旅、ときどきライカ

今日、大学生活最後のテストを終えた。「単位が足りない」と唱え続けて4年、ついに僕の単位は、足りたのである。この記念すべき日を祝って、自分へのプレゼントを買った。中古のマニュアルカメラ、ニコンFEである。カメラの趣味はホルガから始まったもの…

STAR EGG――星の玉子さま

人気ミステリー作家が絵も文もかきおろした、不思議な絵本。 STAR EGG―星の玉子さま (文春文庫) 作者: 森博嗣 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/12/06 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (21件) を見る 森博嗣『STAR EGG…

狐になった奥様

紀伊國屋書店で見つけた、現代の寓話。 狐になった奥様 (岩波文庫) 作者: ガーネット,David Garnett,安藤貞雄 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2007/06/15 メディア: 文庫 クリック: 7回 この商品を含むブログ (15件) を見る デイヴィッド・ガーネット(安…

出版業界の危機と社会構造

書店に勤める女性から「衝撃的な本」と言われ手に取った一冊。 出版業界の危機と社会構造 作者: 小田光雄 出版社/メーカー: 論創社 発売日: 2007/11 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (28件) を見る 小田光雄『出版業界の危…

9990個のチーズ

行きつけの古本屋で偶然手に取った本。理由は可愛らしい装丁と、翻訳者が金原瑞人だったためだろう。 9990個のチーズ 作者: ヴィレム・エルスホット,金原瑞人,谷垣暁美 出版社/メーカー: ウェッジ 発売日: 2003/06/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ…

蠅の王

人間の内面の暗黒を追及した、ノーベル文学賞受賞作家の作品。 蠅の王 (新潮文庫) 作者: ウィリアム・ゴールディング,William Golding,平井正穂 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1975/03/30 メディア: 文庫 購入: 37人 クリック: 711回 この商品を含むブロ…

フロイトの弟子と旅する長椅子

『バルザックと小さな中国のお針子』の作者による、長編小説第二作目。 フロイトの弟子と旅する長椅子 (BOOK PLANET) 作者: ダイ・シージエ,Dai Sijie,新島進 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2007/05 メディア: 単行本 クリック: 8回 この商品を含むブロ…

“文学少女”と死にたがりの道化

生まれて初めて、ライトノベルというものを読みました。 “文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫) 作者: 野村美月,竹岡美穂 出版社/メーカー: エンターブレイン 発売日: 2006/04/28 メディア: 文庫 購入: 20人 クリック: 312回 この商品を含むブログ (6…

体の贈り物

末期患者たちの介護を行う、ホームケア・ワーカーのノンフィクション小説。 体の贈り物 (新潮文庫) 作者: レベッカブラウン,柴田元幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2004/09/29 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (78件) を…

正しい保健体育

みうらじゅんによる、シュール過ぎる道徳教本。しかも中高生向け。 正しい保健体育 (よりみちパン!セ) 作者: みうらじゅん 出版社/メーカー: 理論社 発売日: 2005/01 メディア: 単行本 購入: 7人 クリック: 203回 この商品を含むブログ (217件) を見る みう…

町でいちばんの美女

酔っ払いパンク爺再び。世界一下品な短編集。 町でいちばんの美女 (新潮文庫) 作者: チャールズブコウスキー,青野聡 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/05/28 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 287回 この商品を含むブログ (100件) を見る チャールズ…

トム・ソーヤーの冒険

自然の中で遊ぶことを忘れている全ての人たちへ向けられた、一人の「少年」についての年代記。 トム・ソーヤーの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫) 作者: マークトウェイン,Mark Twain,大久保博 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2005/01 メディ…

長崎乱楽坂

『パレード』の作者による短編連作。 長崎乱楽坂 (新潮文庫) 作者: 吉田修一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/12/22 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (38件) を見る 吉田修一『長崎乱楽坂』新潮文庫、2007年。

雪のひとひら

新潮文庫から出ている、ポール・ギャリコの小編。 雪のひとひら (新潮文庫) 作者: ポールギャリコ,矢川澄子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/11/27 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (16件) を見る ポール・ギャリコ(矢…

マーチ博士の四人の息子

すごいアイディアだ。 本当に、ただただすごい。『悪童日記』のアゴタ・クリストフが絶賛したというのも、何となく理解できる。 マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文庫HM) 作者: ブリジットオベール,Brigitte Aubert,堀茂樹,藤本優子 出版社/メーカー: 早川…

昨日

『悪童日記』の著者が描く、亡命者の叫び。 僕らは戦争を知らない。それに付随する亡命も知らない。祖国を奪われる、とは一体どんな感情なのだろうか。ミゲル・リティンがガブリエル・ガルシア・マルケスを通して祖国への想いを語った『戒厳令下チリ潜入記』…