Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

カモ少年と謎のペンフレンド

眠る前に読む本を選ぶときには、薄いものを開いたりしない方が良い。パラパラ読み始めたつもりが、途中で止めることもできずに読み終えてしまうからだ。

カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)

カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)

 

ダニエル・ペナック(中井珠子訳)『カモ少年と謎のペンフレンド』白水uブックス、2007年。


今日(既に昨日)、吉祥寺の啓文堂で買った本。立ち読みしていたらこんな箇所があった。

「けれど、父親というのは死ぬこともある。さいごの日、病院でカモのとうさんはまだ笑おうとしていた。「ついてないな、もっとあとがよかったのに、今だなんて」」(16ページ)

で、買った。児童文学である。イラストが非常に可愛らしい。ユーモラスな語り口と、魅力的な登場人物たち、そして芸術的な短さが良かった。

80ページくらいまで、どこかで見たことがあるはずの「謎のペンフレンド」の正体を思い出せなかった。何で忘れてたんだろう。ちょっと悔しかった。読んだ人と語り合いたい。「あなたは、いくつわかりましたか?」と。

ダニエル・ペナックの他の作品も読んでみたくなった。最近、癖のあるものばかり読んでいたから、妙に楽しかった。

カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)

カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)

 

 

<読みたくなった本>
ペナック『人喰い鬼のお愉しみ

人喰い鬼のお愉しみ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

人喰い鬼のお愉しみ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

 

ラーゲルレーヴ『ニルスの不思議な旅』

ニルスのふしぎな旅〈1〉[全訳版] (偕成社文庫)

ニルスのふしぎな旅〈1〉[全訳版] (偕成社文庫)

 
ニルスのふしぎな旅〈2〉[全訳版] (偕成社文庫)

ニルスのふしぎな旅〈2〉[全訳版] (偕成社文庫)

 
ニルスのふしぎな旅〈3〉[全訳版] (偕成社文庫)

ニルスのふしぎな旅〈3〉[全訳版] (偕成社文庫)

 
ニルスのふしぎな旅〈4〉[全訳版] (偕成社文庫)

ニルスのふしぎな旅〈4〉[全訳版] (偕成社文庫)

 

イタロ・カルヴィーノ『まっぷたつの子爵』

まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)

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