Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

テーマ-ユートピア

The Machine Stops

またしてもすこし時間が空いてしまった。英語で本を読むとき、読むのにかかる時間は日本語の本よりもほんの少し長いくらいなのだけれど、それを記事にしようとすると、なんだか拙い訳文を付けずにはいられなくなって、結果的に読むのの倍以上の時間がかかっ…

Some Thoughts on the Common Toad

一冊の本の記事を書くのに、これほど時間をかけたのは久しぶりだ。なにもそんなにマジにならなくても、とは自分でも思ったのだが、せっかく英語の本をわざわざ紹介するのだから、気に入った箇所くらいはぜんぶ自分で訳してみなくては、と思ってしまったのだ…

Books v. Cigarettes

突然だが、どうもわたしはヘビースモーカーらしい。らしい、なんて言うのは、わたしのように煙草を吸うことに後ろめたさなどぜんぜん感じない喫煙者は、一日に何本吸ったかなど、わざわざ数えることはしないと思うのだ。かばんには常に最低でも二箱は携帯し…

ソドム百二十日

登場する変態の数があらゆる文学の中でも最も多いと噂される、サドの未完の小説。ずいぶん前に読んだ巖谷國士の『シュルレアリスムとは何か』の中では、ある種のユートピア文学としても紹介されていた。 ソドム百二十日 (河出文庫) 作者: マルキ・ドサド,マ…

エペペ

アゴタ・クリストフの『文盲』を読んでから言語をテーマにした文学を読みたいと思い、手に取った一冊。現代社会のディスコミュニケーションを題材にしたハンガリー文学、『エペペ』。 エペペ 作者: カリンティ・フェレンツ,池田雅之 出版社/メーカー: 恒文社…

シュルレアリスムとは何か

「シュルレアリスム」という言葉をどうも理解していないと感じていた時に、書店の棚から抜き出した一冊。講演形式になっているから、読みやすそうだと思って手に取り、買ったそのままの足で喫茶店に入って読み耽った。 シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸…

タイム・マシン

SF小説の不朽の古典であり、同時に最近私が気に入っているディストピア文学ともなっている「タイム・マシン」を収録した、ウェルズ初期の短篇集。 タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫) 作者: H.G.ウエルズ,橋本槇矩 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1991/…

すばらしい新世界

ジョージ・オーウェルの『一九八四年』を読んでから、読みたくなったディストピア文学。『一九八四年』が書かれた1949年よりも17年早い、1932年に書かれた本である。 すばらしい新世界 (講談社文庫) 作者: ハックスリー,Aldous Huxley,松村達雄 出版社/メー…

一九八四年

村上春樹の『1Q84』が発売されると決まった時に、ちょうど版権が切れてしまっていたディストピア文学を代表する小説。ようやく出ました、新訳版。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発…

あまりにも騒がしい孤独

松籟社による「東欧の想像力」シリーズの一冊として出された、チェコの作家ボフミル・フラバルの代表作。 あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2) 作者: ボフミル・フラバル,石川達夫 出版社/メーカー: 松籟社 発売日: 2007/12/14 メディア: 単行本 購入: …

動物農場

成し遂げられた豚たちの革命、そこから生まれくるもの。 動物農場 (角川文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,George Orwell,高畠文夫 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1995/05 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 109回 この商品を含むブログ (124件) を…

華氏451度

本を読むことが禁じられた時代を描いた、ブラッドベリの長編。 華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) 作者: レイブラッドベリ,Ray Bradbury,宇野利泰 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/11 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 115回 この商品を含むブログ (10…

火星年代記

天才。ここまで想像力が及ぶものか、と感動しました。レイ・ブラッドベリは天才です。 火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114) 作者: レイ・ブラッドベリ,小笠原豊樹 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1976/03/14 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 329回 こ…