Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

配架-雑記・ブックリスト

雑記:マングェルの理想の読者

わたしが好んで引用する言葉に、アルベルト・マングェルの理想の読者像がある。「理想の読者は、すべての文学作品を匿名作家のものとして読む」、というのがそれで、じつはこれはインターネットをうろちょろしていたときに、英語でもスペイン語でもなく、フ…

雑記:海外文学おすすめ作家ベスト100(2014年版)

2011年を最後に更新していなかった、いわゆる「好きな作家ベスト100」を掲載する。公開した途端に後悔する、という、あれである。名前が「好きな作家ベスト100」でなくなったのは、「好きな」というのと「ベスト」というのが、同じことを意味していることに…

雑記:ぼくはおしゃれなブックラバー

心底ふざけた題名を付けてみたが、これは「文学好き」という言葉がもたらすいかにも垢抜けない感じに一石を投じるための記事である。 文学好きは暗い。毎日毎日、本ばかり読んでいて、恋人なんてできた試しがなく、それなのにジェイン・オースティンを読んで…

雑記:速読なんてクソくらえ

昔からよく言われてきたことだが、わたしは本を読むスピードが速いらしい。そういうことを言ってくる人たちは大抵、それを羨んでいるような調子で語りかけてくるので、この場ではっきりと言っておきたい。わたしの本を読むスピードは、べつに速くない。ただ…

雑記:文学によって人生を台なしにしたいのなら読むべき30冊の本

Today I was talking with my colleagues about a list from Esquire called "30 BOOKS EVERY MAN SHOULD READ BY 30". When I was looking at it, same as all the time I see this kind of list, I had lots of complaints. Obviously, nobody could be sa…

雑記:好きな作家ベスト100(2011年版)

友人たちと恒例にしている年末行事、公開した途端に後悔するおそるべきリスト、「好きな作家ベスト100」の2011年版を掲示します。 もともとは「好きな作家はだれ? って聞かれると困るよね」という、なにげない会話が発端だったと思います。「何人まで答えて…

雑記:ペレックが死ぬまでにしたい50のこと

以前フランスの大学に通っていたときに、教授から奇妙な紙を渡されたことがあった。「好きでしょ?」と言われながら。最上部に「Georges Pérec : Cinquante choses que je voudrais faire avant de mourir」とある。つまり、「ジョルジュ・ペレック:死ぬま…

雑記:愛書家双書について

「Les Livrets du bibliophile(愛書家双書)」というシリーズをご存じだろうか。いや、知っている人はそうそういないだろうと思ったから記事にしているわけだが、これがまたとても魅力的な双書なのだ。

雑記:クノーがつくる理想の叢書

レーモン・クノーが作成した「理想の書斎のために」という書物目録を、日本の出版状況に照らし合わせて紹介してみようという試み。 元ネタはWikipediaフランス語版の「Pour une Bibliothèque Idéale」、1956年にクノーによってまとめられた同名の書籍である…

雑記:笑顔が湧き出るユーモア文学

日本で書店員をやっていたころに大変よくして頂いた空犬さんが、ご自身のブログ空犬通信のなかで「こんなときだからこそ、本を」という記事を書いていらっしゃいました。記事によると、発起人は上落合にある伊野尾書店の店長さんだとか。大切な友人たちのた…

雑記:2010年一番面白かった本

2010年に読んで一番面白かった本を発表します。昨年は気の迷いで「ニナ文藝賞」などという講談社あたりが主催しそうな名前をでっち上げましたが、ちょっと悲しくなるほどださい上に、代替案も特に見つからないので、今年は単に「一番面白かった本」とします。…

雑記:好きな作家ベスト100(2010年版)

友人たちと恒例にしている、公開した途端に後悔するランキング、年末の「好きな作家ベスト100」を掲示します。 今年は年始に派手なイベント、半年のところでは派手な引っ越し、そしてそれ以降今もなお続く「文盲」期間があったため、年始に期待していたよう…

雑記:移動祝祭日記

パリを離れた途端にインターネットに接続できる環境が整ったので、パリで見た文学的遺跡の数々を写真付きで紹介しようと思う。第一弾は、ヘミングウェイの記憶から。

雑記:2009年ニナ文藝賞

今年読んだ本のベストを決める試み。その年に刊行された書籍ではなく、その年に自分が出会った傑作を紹介するためのもの。今までは別の場所で公表していたものを、今年からはこの読書ブログに掲載する。ちなみに去年のベストはバタイユの『空の青み』、一昨…

雑記:好きな作家ベスト100(2009年下半期)

公開した途端に後悔する、という、友人たちと実施している半年毎の恒例行事。好きな作家を100人挙げてあえてランキング形式にする、というもので、その時分の趣味が判りやすく反映される。作り終えた後には「忘れた作家がいるんじゃないか」という強迫観念に…