Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

いわゆる-複数作家・アンソロジー

もしも、詩があったら

先月は信じられない頻度で更新をしていたので、ちょっと控える(さぼる)ことにしていた。何度でも眺めて楽しむことのできる宝石のような詩、それがたくさん集められた、まさしく宝石箱たる詩集に、次から次へと手を伸ばすというのは、あんまりいい趣味とは…

イタリアの詩人たち

このごろの更新傾向を見ていただくとすぐにわかるとおり、いま、詩を読むのがとても楽しい。いや、詩はもともと好きなのだが、日本語でよく「現代詩」と呼称される、一見ルールもなにもないように見える言葉たちの自由さに、最近ひたすら驚かされているのだ…

恋愛詩集

わたしが書店で働くようになったのは18歳のときのこと、その後いろいろと店や担当分野を遍歴し、ついに書店を去ったのは昨年、つまり29歳のときだったが、十年以上もブックカバーをかける側の人間でありつづけたこともあってか、わたしはもう自分の本にはカ…

通勤電車でよむ詩集

先日国内にいたとき、仕事の予定が思ったよりも早く済んだおかげで、次の予定まで、ふいに二時間ほどの空き時間ができた。ふだんのわたしだったら喫茶店に直行、鞄のなかの本を貪るように読むところなのだが、この日鞄に入っていた本たちはどれも内容が重た…

マチネ・ポエティク詩集

唐突に、短歌とは直接関係のない本。和歌・短歌の魅力を知ってからというもの、定型詩、というか「定型」そのものにただならぬ関心を抱いていて、自宅の本棚に眠らせていたこの本のことを思い出したのだ。今朝、洗濯機が仕事を終えるのを待っている最中に読…

ちびまる子ちゃんの短歌教室

こいつ、ついに気でも狂ったか、と思われる向きもあるかもしれないが、大丈夫、たぶんまだ正常です。先日から何度も、「知らないということには慎み深くありたい」という永田和宏の言葉を繰り返しているわけだが、わたしの無知が、まるちゃんさえ動員した、…

新・百人一首

すこしあいだが空いてしまったものの、相変わらず短歌に関連した本ばかり読みつづけている。なにも知らない分野なぶん、インプットが非常に多いわりには、得たものをろくに吟味・反芻できていない気がしていて、じつは『現代秀歌』の記事を書いている最中に…

Little Book of Poems for Young Children

ヴァージニア・ウルフの『自分だけの部屋』を読んでいたら、クリスティナ・ロセッティなどの魅力的な詩が紹介されていて、そういえば英語で詩を読んだことがない、と気づき、勤め先の書店の棚から抜き出した一冊。いきなりブラウニングやキーツなどを読もう…

思考の表裏

さきの『ヴァレリー詩集』と同様、『ヴァレリー文学論』が含まれている一冊。『ヴァレリー文学論』と関係があるという時点で、この本は最高評価が確定している。とはいえ、この本の魅力はそれだけではない。 思考の表裏 作者: ポォル・ヴァレリィ,アンドレ・…

書痴談義

先日紹介した『愛書狂』の三年後に刊行された、生田耕作の編訳によるもうひとつの「愛書小説」アンソロジー。 書痴談義 作者: P.ルイス,生田耕作 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 1983/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る ピエール・ル…

愛書狂

先日の『フランスの愛書家たち』に引き続き、喜び勇んで手に取った愛書家のための書物。とはいえこちらは奢覇都館の刊行物ではなく、それよりも以前の、白水社のもの。 愛書狂 (1980年) 作者: 生田耕作 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 1980/12 メディア: ?…

和子の部屋

友人に魅力を熱弁されたのがきっかけで手に取った、阿部和重の対談集。7月末に刊行されたばかりの、『小説トリッパー』にて連載されていたコラムをまとめたもの。 和子の部屋 小説家のための人生相談 作者: 阿部和重 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: …

フランスの愛書家たち

ずっと以前に購入して読まずにいたのを、たまたま本棚の整理をしていたら見つけたので、嬉々として手に取ってみた。そしてあっというまに読み終えた。 愛書狂 (平凡社ライブラリー) 作者: G.フローベール,Ch.ノディエ,Ch.アスリノー,A.ラング,A.デュマ,Gusta…

詩のこころを読む

日本の詩が気になって仕方がないのだが、なかなかどこから手をつけたら良いのかわからない。そんな時に出会った岩波ジュニア新書の一冊。 詩のこころを読む (岩波ジュニア新書) 作者: 茨木のり子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1979/10/22 メディア: 新…

幼童殺戮

堀口大學の訳した様々な作家の短編をまとめたアンソロジー、『短篇物語』の第一巻。 堀口大學訳『短篇物語1 幼童殺戮』書肆山田、1989年。

文学全集を立ちあげる

雑誌『考える人』に載っていた丸谷才一の文学論をみて、読んでみようと思った本。 文学全集を立ちあげる 作者: 丸谷才一,三浦雅士,鹿島茂 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2006/09/30 メディア: 単行本 クリック: 21回 この商品を含むブログ (47件) を見る…