配架-ロシア文学
このごろ、「この詩人がいい、あの詩人もいい」、と、立てつづけに詩集の紹介ばかりしてきたが、いま、そのことをちょっとだけ後悔している。詩というのは、書かれていることの即効性が重視される散文とは大きく異なり、あとになってから響いてくるものも、…
国内にいるあいだに入手した、ブロツキーによるノーベル文学賞受賞講演。荻窪にある馴染みの古本屋さん、ささま書店で購入し、帰りのバスのなか、酔うかもしれないという不安を抱えながら読みはじめ、最後のほうはバスではなく、ブロツキーに酔っていた。こ…
唐突にマヤコフスキー。じつはこれについても近々書くつもりだが、ブレヒトの『アンティゴネ』を読んでいて思い出した一冊なのだ。戦争の残酷さ、というより、もっと具体的に、戦争に駆り出されること、無理やり動員されることの残酷さについて考えたとき、…
今日のニュースで知ったばかりなのだが、小笠原豊樹さんが亡くなられたそうだ。先日から著書の『マヤコフスキー事件』、訳業である「マヤコフスキー叢書」を、このブログでも立て続けに紹介していたところだったので、大きなショックを受けた。『マヤコフス…
先日の『ズボンをはいた雲』に引き続き、土曜社刊「マヤコフスキー叢書」の一冊。これはほんとうに気安く手に取れる、奇跡みたいにすばらしいシリーズである。読み終えたのはじつはもう一週間以上も前のことなのだが、先日の『ズボンをはいた雲』同様、これ…
小笠原豊樹の『マヤコフスキー事件』を読んで、俄然興味をかきたてられたマヤコフスキー最初期の詩集のひとつ。そういえばこの本の存在を最初に教えてくれたのは、チャトウィンの『どうして僕はこんなところに』だった。土曜社が今年4月に刊行をはじめた「マ…
あまりのおもしろさに息つく暇もなく読み終えてしまった。300ページを超える本だとは到底信じられないような速さで、終いにはもったいないとさえ思いはじめるほどの速さで読み終えた。これほどのひとは歴史上もう絶対に出てこない。わたしにとっての永遠の憧…
青柳いづみこの『六本指のゴルトベルク』で紹介されていて、どうしようもなく読みたくなった本、そのいち。19世紀のロシア文学を読むのはじつに久しぶりのことだったので、ページを開く前からとてもわくわくした。 クロイツェル・ソナタ/悪魔 (新潮文庫) 作…
アンリ・ド・レニエの『水都幻談』の影響で猛烈に読みたくなった、ヴェネツィアを題材にした文学作品。この本の存在はずっと以前から知っていて、購入したのもいつだったか思い出せないほど昔のことなのだが、きっかけを見つけられないまま、結局ずっと本棚…
2008年に刊行された、神西清訳のチェーホフ短編集。訳者自身による二編のチェーホフ論も併収され、日本におけるチェーホフの紹介に神西清がどれほどの貢献を果たしたか、一望できる一冊となっている。 カシタンカ・ねむい 他七篇 (岩波文庫) 作者: チェーホ…
ドストエフスキーの初期の短編を集めた、ユーモア小説集。 鰐 ドストエフスキー ユーモア小説集 (講談社文芸文庫) 作者: ドストエフスキー,工藤精一郎,原卓也 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/11/09 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 46回 この商品…
大学三年生の時、毎日のようにチェスを指していた。相手をしてくれていた友人がフランスに発ってからは、この素晴らしい習慣は失われてしまっていたが、チェスに対する興味は未だに尽きていない。 ディフェンス 作者: ウラジーミル・ナボコフ,若島正 出版社/…
トルストイによる、様々な民話や伝説の再話集。 トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇 (岩波文庫) 作者: トルストイ,中村白葉 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1966/01 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (32件) を見る レ…
ドストエフスキーの描いた最高傑作であり、あらゆる文学の頂点とも呼ぶべき小説。昨今話題の新訳。 カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) 作者: ドストエフスキー,亀山郁夫 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/09/07 メディア: 文庫 購入: 29人 クリ…
19世紀のロシア文学を牽引した一人、ツルゲーネフの代表作。 父と子 (新潮文庫) 作者: И.С.ツルゲーネフ,工藤精一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/05/04 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る イワン・セルゲ…
トゥルゲーネフによる、情熱溢れる「自伝的小説」。 初恋 (光文社古典新訳文庫) 作者: トゥルゲーネフ,沼野恭子 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/09/07 メディア: 文庫 クリック: 34回 この商品を含むブログ (51件) を見る イワン・セルゲーエヴィチ・…
チェーホフが晩年に著した短編を集めたもの。そこにはユーモアを越えた何かがある。 かわいい女・犬を連れた奥さん (新潮文庫) 作者: チェーホフ,小笠原豊樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1970/11/30 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 15回 この商品…
チェーホフの四大劇のうち、最初の二作。 かもめ・ワーニャ伯父さん (新潮文庫) 作者: チェーホフ,神西清 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1967/09/27 メディア: 文庫 クリック: 22回 この商品を含むブログ (34件) を見る アントン・チェーホフ(神西清訳)『…
チェーホフの四大劇のうち、晩年の二作『三人姉妹』と『桜の園』が収められた一冊。 桜の園・三人姉妹 (新潮文庫) 作者: チェーホフ,神西清 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1967/09/01 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (41…