いわゆる-児童文学
昨年末から気に入っているRoger McGoughの詩集。『It Never Rains』、『Slapstick』、『An Imaginary Menagerie』を経て、気づけばもう四冊目である。何度も繰り返していることではあるが、この気安さはまちがいなく価値である。 Pillow Talk: A Book of Poe…
英語で書かれた児童文学を読むのがこのところ空前のブームになっているのだが、じつはこれにどっぷり浸かりはじめたのは昨年末のことで、E・B・ホワイトの『Charlotte's Web』や『Stuart Little』を読んでいたのは、ちょうどあの無闇に長い「雑記:海外文学…
書店で児童文学の棚を眺めているときに目に止まった一冊。シルヴィア・プラスが児童文学を書いているとは知らなかったので、興味本位に手を伸ばしてみた。 The it Doesn't Matter Suit and Other Stories (Faber Children's Classics) 作者: Sylvia Plath 出…
先日記事にした『Charlotte's Web』に引き続き、E・B・ホワイトのもうひとつの代表作。映画化もされて一時期話題になったものの、まだまだ日本ではあまり知られていない、とはいえ英語圏では知らないひとなどいない、という類の児童文学。 Stuart Little 60t…
このところ、英語で本を読むのがとても楽しい。と言っても、どんな本でも読めるというわけではない。語彙ももちろんそうだが、微妙な語感であったり、まだそういうものに十分に敏感であるとはぜんぜん言えないのだ。大人向けに書かれた本は、まだ手に負えな…
つい先日の『Little Book of Poems for Young Children』でも紹介されていた、スティーヴンスンによる子どものための詩集。先日の記事では「A Good Play」と「Bed in Summer」、それから「Young Night Thought」の3つを訳出してみたが、ほかにもたくさんいい…
職場の同僚であるスリランカ人とパレスチナ人の女の子たちから、同時に薦められた本。英語の本を読むのはじつに久しぶりで、正直不安でいっぱいだったのだが、意外にもすんなり読み進められてちょっと興奮した。メキシコ系アメリカ人の書いた、アメリカでは…
児童文学というのは、文学史的にはかなり近代的な分野である。フィリップ・アリエスなんかの研究に詳しいとおり、そもそもの《子ども》という概念は、歴史学の観点から溯ってようやく17世紀ごろに誕生したものであり、それまで彼らは、江國香織の表現を借り…
すこし前、たしか去年のことなのだが、『ジブリの本棚』というDVDを購入した。とはいえ、目的はDVDよりも付録のほうにあって、このDVDには「宮崎駿が選ぶ岩波少年文庫の50冊」という、豆本サイズのたいへん魅力的な小冊子が付いていたのだ(ちなみに、DVD自…
エンデの描く、悪い魔術師と悪い魔女の話。魔法のカクテルは悪の限りを尽くすために作られ、それを食い止めようとするのは、動物最高評議会から派遣されたでぶ猫とリューマチ持ちのカラス。 エンデ全集〈12〉魔法のカクテル 作者: ミヒャエルエンデ,Michael …
スタジオジブリ出版部、宮崎駿の編集による、飛行機とウェストールへの愛が凝縮された一冊。 ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの 作者: ロバート・アトキンソンウェストール,宮崎駿,Robert Westall,金原瑞人 出版社/メーカー: 岩波…
イタリアの作家ブッツァーティによる、素敵なクマの物語。 シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語) 作者: ディーノ・ブッツァーティ,天沢退二郎,増山暁子 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2008/05/20 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: …
好きな作家の本を読めるというのは、なんて幸せなことなんだろう。しかも、それがまだ未読のものであるなら尚更だ。とはいえ、いつもこの調子で読んでいたら、すぐに未読のものはなくなってしまう。ジレンマだ。もったいない。とうとう読んでしまった。 ふた…
ミヒャエル・エンデ、エーリヒ・ケストナーと共に、ドイツでは三大児童文学作家と遇されているジェイムス・クリュスの代表作。 笑いを売った少年 作者: ジェイムスクリュス,James Kr¨uss,森川弘子 出版社/メーカー: 未知谷 発売日: 2004/03 メディア: 単行本…
エンデによる奇跡の名作。大人が読むべき、何度でも読み返すべき、児童文学。 モモ (岩波少年文庫(127)) 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2005/06/16 メディア: 新書 購入: 41人 クリック: 434回 この商品を含むブロ…
先月亡くなられた、石井桃子さんの翻訳による、傑作児童文学。 たのしい川べ (岩波少年文庫 (099)) 作者: ケネス・グレーアム,E.H.シェパード,Kenneth Grahame,石井桃子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2002/07/18 メディア: 単行本 購入: 6人 クリック:…
児童文学の名作、新訳で復活。 宝島 (光文社古典新訳文庫) 作者: スティーヴンスン,村上博基 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/02/07 メディア: 文庫 クリック: 9回 この商品を含むブログ (18件) を見る ロバート・ルイス・スティーヴンスン(村上博基訳…
芥川龍之介の作品群の内、少年少女のために書かれたものを集めた本。 蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫) 作者: 芥川龍之介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/11/19 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (132件) を見る 芥川龍之介…
ケストナーによる、世界最良の道徳教本。 点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫) 作者: エーリヒケストナー,Erich K¨astner,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/09/18 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (26件…
イギリスの詩人が贈る、ユーモラスな「動物なぜなぜ話」の短編集。 クジラがクジラになったわけ (岩波少年文庫 (081)) 作者: テッド・ヒューズ,みやざきひろかず,Ted Hughes,河野一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/04/18 メディア: 単行本 購入: …
『エーミールと探偵たち』の、「つづきのような、つづきではないような物語」。 エーミールと三人のふたご (岩波少年文庫) 作者: エーリヒケストナー,ヴァルター・トリアー,Erich K¨astner,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/07/18 メディ…
子どもの頃を忘れてはいけない。 小さな男の子の旅―ケストナー短編 (ショート・ストーリーズ) 作者: エーリヒケストナー,堀川理万子,Erich K¨astner,榊直子 出版社/メーカー: 小峰書店 発売日: 1996/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る …
ケストナーと同様に、大人が読むべき児童文学。 猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫) 作者: ジャンニロダーリ,関口英子 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/09/07 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 26回 この商品を含むブログ (59件) を見る ジャン…
「これは嘆きと試練と悲哀にみちた真実の物語なのだ」(304ページ)。 オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫) 作者: チャールズディケンズ,中村能三 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/12/14 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 10回 この商品を含むブログ…
誰かに「好きな作家は誰?」と聞かれたら、僕はきっと彼を選ぶのだろう。 エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018)) 作者: エーリヒ・ケストナー,ヴァルター・トリアー,池田香代子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 購入: 6…
マーク・トウェインによる『トム・ソーヤーの冒険』の続編。 ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫) 作者: マークトウェイン,大久保博 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2004/08/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリッ…
自然の中で遊ぶことを忘れている全ての人たちへ向けられた、一人の「少年」についての年代記。 トム・ソーヤーの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫) 作者: マークトウェイン,Mark Twain,大久保博 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2005/01 メディ…
世界一有名なクリスマスを扱った作品の、新訳。 クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫) 作者: ディケンズ,池央耿 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/11/09 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (67件) を見る チャールズ…
また天才に出会ってしまった。最初に彼を児童文学作家と呼んだのは一体誰だろう?しかしそんなことはどうだっていい。一つだけ言えるのは、そいつは『飛ぶ教室』を読まなかったということだ。 飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫) 作者: ケストナー,丘沢静也 出版…