Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

エーミールと探偵たち

誰かに「好きな作家は誰?」と聞かれたら、僕はきっと彼を選ぶのだろう。

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

 

エーリヒ・ケストナー(池田香代子訳)『エーミールと探偵たち』岩波少年文庫、2000年。


ケストナーの代表作とも言うべき本著は、他の作品と同じようにケストナー特有の「ご機嫌な話」だ。

「おばあちゃんをたずねる列車の中で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。ベルリンの街を舞台に、少年たちが知恵をしぼって協力し、犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます」

枠を当てはめるなら、ケストナーは児童文学作家なのだろう。けれど、本当の児童文学は大人が読んでも面白い。「8歳から80歳までの子どもたちへ」。ケストナーを言い表すのに、これ以上の言葉は無いだろう。

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))