Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

バートルビー 偶然性について

ジョルジョ・アガンベンの論文「バートルビー 偶然性について」と、その主題であるメルヴィルの短編「バートルビー」の新訳を同時に収録した、大変気の利いた一冊。主題となる小説の短さが可能にした素晴らしい構成であり、さらに訳者による「バートルビーの…

分身

アドルフォ・ビオイ・カサーレスの『モレルの発明』に書かれた、清水徹による「訳者あとがき」で紹介されていた一冊。この「あとがき」の素晴らしさには忘れがたいものがあって、紹介されている本を全て読みたいと思わせる力があるのだ。 分身 ドッペルゲン…

不穏の書、断章

ポルトガル文学を求めて辿り着いた、フェルナンド・ペソアの世界。初ペソアながらも、この詩人に今まで出会えなかったことを後悔するほどの内容だった。ペソアの書くものには、ただならぬ吸引力がある。電車の中と就寝前の数時間が素晴らしく豊かなものにな…