Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マルタン君物語

江戸川乱歩が『第二の顔』を絶賛したことによって知られる、奇想家マルセル・エイメの短篇集。 マルタン君物語 (ちくま文庫) 作者: マルセルエーメ,江口清 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1990/04/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る …

ダダ・シュルレアリスムの時代

職場の先輩が激賞していた、塚原史によるシュルレアリスム論。読む前に先輩が教えてくれた通り、トリスタン・ツァラの世界を知るための絶好の入門書だった。 ダダ・シュルレアリスムの時代 (ちくま学芸文庫) 作者: 塚原史 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日:…

長靴をはいた猫

巖谷國士の『シュルレアリスムとは何か』を読んでからずっと、「おとぎばなし」を読みたいと思っていた。ルーセルの『ロクス・ソルス』を読んだことでその想いが一層強まり、手に取った一冊。 長靴をはいた猫 (河出文庫) 作者: シャルルペロー,渋澤龍彦 出版…

ロクス・ソルス

『モレルの発明』と並んで、ブラザーズ・クエイが『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』を作成する際に参照したもう一つの小説。ずっと前から耳にしていたけれども、なかなか手に取るきっかけのなかった一冊とようやく向き合った。 ロクス・ソルス (平…

モレルの発明

ボルヘスの盟友ビオイ=カサーレスが1940年に発表した、伝説の奇書。ボルヘスによって「完璧な小説」と激賞されたSF風小説。 モレルの発明 (叢書 アンデスの風) 作者: アドルフォビオイ・カサーレス,清水徹,牛島信明 出版社/メーカー: 書肆風の薔薇 発売日: …

ほんわか!

吉祥寺のブックス・ルーエに立ち寄った際に、うっかり買ってしまった本。しかも、うっかり読んでしまった。たまにこういった軽めのエッセイが読めると、精神が健全に保てる気がして嬉しい。 ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり! (MF文庫ダ・…

萩原朔太郎詩集

わがホームタウン吉祥寺を代表する詩人が、薦めてくれた朔太郎。彼は萩原朔太郎の詩集に出会った日、それをマクドナルドにて徹夜で読み、そして翌朝、辞表を携えて当時の職場へ向かったそうだ。「俺は詩人なんだ」と気付かされたと、彼は笑いながら話してく…

百年の孤独

ラテンアメリカの文学を世に知らしめ魔術的リアリズムの時代を開くこととなった、現代の世界文学を牽引する記念碑的作品。新潮社の発行している雑誌『考える人』の2008年春号で「海外の長篇小説ベスト100」の頂点に輝いたことも記憶に新しい。 百年の孤独 (O…

アインシュタインの夢

先日友人と話をしていて、ハヤカワepi文庫の全点読破を目指すことになった。期限を設けるわけではないので緩やかに実施されるに違いないが、特に初期のものに手を回すのはなかなか大変である。先日、田村隆一の詩を読んでいてアインシュタインの名前が出てき…

病牀六尺

先日紹介した宮脇俊三の『時刻表2万キロ』に続く、我らが読書会の第二回課題図書。他のメンバーが中々手に取らなさそうな本を持ち回りで紹介し、課題として挙げる会である。 病牀六尺 (岩波文庫) 作者: 正岡子規 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1984/07…