Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

ペンギンの憂鬱

ウクライナから贈られる、新生ロシア文学。 

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

 

アンドレイ・クルコフ(沼野恭子訳)『ペンギンの憂鬱』新潮クレストブックス、2004年。


売れない短編小説家と共に暮らす、憂鬱症を患ったペンギン。直立不動の態勢でうなだれるペンギン、ミーシャの姿はこの物語全体を愛らしさとメランコリーで包んでいる。

ロシア文学は一般的に陰鬱なものだと言われている。新生ロシア文学はそのイメージを自虐的且つユーモラスに塗り替えるものなのかもしれない。

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)