第三の嘘
『悪童日記』、『ふたりの証拠』に続く三作目。ストーリーは再び、僕らの想像を易々と越える。
アゴタ・クリストフ(堀茂樹訳)『第三の嘘』ハヤカワepi文庫、2002年。
何が起きているのか、俄かには理解できないだろう。三作目の恐るべき独立性は僕らを混乱に陥れる。
「三部作」とは言うものの、これらは非常に独立した作品だ。タイトルである『第三の嘘(Le Troisieme Mensonge)』が何の隠喩であるか、とうとう僕らはその答えに到達する。
この三部作にはあらゆる悲劇が内包されている。
それにも関わらず、これを読んで涙を流す人はいることを想像できない。悲劇は淡々と語られることで、一層その悲劇性を増すということを教わることとなった。
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