Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

第三の嘘

『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三作目。ストーリーは再び、僕らの想像を易々と越える。

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)

 

アゴタ・クリストフ堀茂樹訳)『第三の嘘』ハヤカワepi文庫、2002年。


何が起きているのか、俄かには理解できないだろう。三作目の恐るべき独立性は僕らを混乱に陥れる。
「三部作」とは言うものの、これらは非常に独立した作品だ。タイトルである『第三の嘘(Le Troisieme Mensonge)』が何の隠喩であるか、とうとう僕らはその答えに到達する。

この三部作にはあらゆる悲劇が内包されている。

それにも関わらず、これを読んで涙を流す人はいることを想像できない。悲劇は淡々と語られることで、一層その悲劇性を増すということを教わることとなった。 

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

 
ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

 
第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)