Riche Amateur

「文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけでは十分でないことの告白である」 ――フェルナンド・ペソア         

ふたりの証拠

『悪童日記』に続く、第二作目。

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

 

アゴタ・クリストフ堀茂樹訳)『ふたりの証拠』ハヤカワepi文庫、2001年。


今作の主体は「私」であり、前作の一人称複数「ぼくら」ではなくなっている。

理由は説明しない。それがこの小説の魅力を損なうことになるかもしれないからだ。

悪童日記』が戦争の悲惨さを伝えたものであるならば、『ふたりの証拠』はその副産物の悲惨さを伝えるものだ。

巻末に現れる衝撃は絶対に忘れられないだろう。

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

 
ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)